何か、足りない。
ずっと、活力がある人でありたかった。最近、何事に対してもやる気が足りていない。僕の周りの何人かはやる気を生み出すものをやっていきと呼んでたりする。そう、やっていきが足りないのだ。
小さい頃には夢があった。考古学者だったはずだ。恐竜の図鑑を眺めて恐竜の名前を覚え、親や親戚に自慢してた。その後も何度か夢が変わったが、何かをやってみたいという気持ちは常にあった。その何かが好きだったというのと別に、それになりたいなって夢見てる自分が心地よかったっていうのもあるのだろう。人間みんな、何かを目指して一心不乱に努力し、上手くいっているときは達成感と自己肯定感に包まれるものだ。それは空元気的な何かでいつしか終わるものかもしれないが、無くなったらまた別のものを探せばいい。若いならまだ社会が守ってくれる、はず。知らんけど。
成長するにつれ、自分というものを自覚するようになった。18歳、もう後一ヶ月で19歳になる。これぐらいの歳になると自分には何ができて、何ができないのかが分かってくる。もちろんまだ社会生活なんてしたことがないので多少の誤差はあるだろう。ただ、何となく自分が収まるべき場所が見えてくる。下限は知らないが、上限を見誤ってはいないだろう。
最近、社会不適合っぽい人たちの文章を読む機会が増えた。こういう人たちって文章読んでて、頭いいんだなぁって思う。多分やる気を出したら色んなことができるのだろう、やらないだけで。彼らは彼らで、もっとダメ人間になれたらよかった、などと言ってるらしい。こういう人たちみたいに、いっその事社会とほとんど縁を切れればいいのにと思うこともある。しかしそれも彼らほどは頭がよくない自分には少し難しい。
自分はありがたいことに色んな経験をした/させてもらった。他人が羨むような経験をしたことも多い、はず。そのおかげで人生でやりたいことは結構やった。強いていうなら所謂異性が絡んだ青春のせの字も体験できていないことだが、僕のスペックや環境上それは無理だっていうことはもう何年か前から悟ってる。最近先輩と恋愛について話した。その先輩は僕と同じで青春ってものなんかほとんど体験せずここまで生きてきた、と思う。違っていたら申し訳ない。多分違っていないだろうけど。
「青春って、皆が面白いって言ってるけど見る機会を逃しちゃった映画みたいだよね」
「その言い方好きだな、今度から使わせてもらう」
こんな夢のない話をした。ただ、これは中々的を射ている表現だ。よくtwitterなどでは青春がしたいなどということを言っているが、これはもはや諦観に満ちた鳴き声のようなものだ。無職の「お金がない!」とは緊急度が異なる。
話が少々脱線したが、何が言いたいのかというと、自分は人生でやりたいことはほぼやりきったということだ。
では、何が今の生きるモチベーションかというと、今の生活水準を保ちたいということだけだ。少し前まではこれで十分だなって思えていた。適度にお金を稼ぎながら趣味に熱中して、何となく生きていればそれで満たされるだろうと思っていた。一般人の範疇ではあるが、少なくても自分のことをただの無能だとは考えていない。何かをやればそれなりの結果は出せる、はず。頑張って親父の1/4(うちは四人家族なので。僕と弟の学費が結構かかっているので必要なのは実質それ以下かもしれない。)ぐらいの年収を稼いで、一人でもいいから安らかに死を迎えたいなって思ってた。そんなこんなで早く人生終わって欲しいんだよね、って冗談混じりに人に話したら
「お前は恵まれている」「甘えるな」「いつか痛い目見る」
という趣旨のことを言われた。確かにそうなのかもしれない。ただ、苦しい思いをしながら日々生きることに必死になるような生き方は嫌だな。
今もその考えの大筋は変わっていないのだが、おそらくそれだと途中で虚しくなってしまうし、どこかで寂しくなってしまうのだろうなと思い始めたのが最近のことだ。大学デビューを果たしてる友人の楽しそうな話なんかを聞いていると、
「楽しそうに日常を語る友人と特に語ることもなく話を聞く僕」という構図がずっと続くんだろうな、なんてことも考えるし、もう既にかなり虚しい。上に書いた社会不適合の人たちもそういった虚しさを感じることが多いらしい。
そんな意識を変えるためにも「やっていき」が必要。空元気で騒いでるのは嫌だなって思っているし、ダサいと思う。ただ当の本人たちが楽しめて、後にそれが空元気であったということに気づくという一連流れ自体は健全で、ある意味羨ましいものなのかもしれないと考えるようにもなった。そんな経験も、こういう人たちにとっては青春の一ページになるのかもしれないし。そうやって、「昔は若かったなぁ、ハハハ」なんて言いながら笑えるのは良いことだ。自分自身がこうなることはないが、こういったエネルギーがあったらいいなって思う。
もしこの記事に書いた非日常が来なくても、せめてそれぐらいは欲しいなって思う。アニメとゲームもいつか飽きるしね。そんなこんなで、やっていき、募集中です。自分でも頑張って探すけどもね。非日常かやっていき、どっちか道端に落ちてないかな。
そんなことを思いながら、何本目か分からないジンジャーエールを買いましたとさ。
では、次の記事でお会いしましょう。